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カタール断交とサッカー

社会とニュース

サッカー好きのドバイ人

ドバイ人はサッカーが好きである。

 

UAEのチームといえば

日本人選手が所属する「アル・アイン」を知っている人もいるだろう。

 

私はサッカーはワールドカップしか見ない典型的ニワカだが、

周囲が見るので巻き込まれがちな人間だ。

 

今般も例のごとく、アジアカップを見せられていた。

 

カンドゥーラ3 + 平たい顔族1という状況で。

…もう慣れたけど。

 

サッカー好きの金持ちが集まると

 

夜の8時頃。

 

試合開始に先駆けて、

エミラティ(ドバイ人)の邸宅にいつものメンツが集まり出す。

 

その場所が会場に指定されたのは、

そこに畳より大きい超大型テレビとプロ仕様の音響設備があるからだ。

 

自動開閉する観音開きの門扉の内側に、

日本円にして2,000万円は優に越える超高級車が続々と並ぶ。

(そこになぜか一般のタクシーで乗り付ける平たい顔族)

 

チャイムを鳴らせば馴染みのメイドが駆け寄ってきて、

タク代を支払い迎え入れてくれる。

 

各々好きな飲み物とアラブ料理、

ときにはジャンキーに宅配ピザなんかを囲みつつ、

「最近どうよー」と雑談しながら試合開始を待つ。

 

有名選手が画面に映れば、出るわ出るわ豆知識。

「XX年のXXXの試合でこの選手はあーでこーで」

「この監督は若い頃XX年のW杯であーでこーで」

 

「サッカー分からない勢」の自分はウンチクを適当に受け流す。

 

それよりも、

その場にいるドバイ人たちの近況報告の方が面白くてたまらないのだ。

そっちを聞かせてくれ。

 

「ねぇねぇ昨日XX大臣がさぁー」

「らしいねー!」

とか

「元XXの会長のじいさん亡くなったって聞いた?」

「聞いた聞いた。親父と弔問行くわ」

とか

↑サッカーのウンチクよりも、こういうの!

 

 

試合が始まれば大盛り上がり。

アラビア語のサッカー中継は、実況が

ヤッラー!ヤァァァアアッラー!!ヤッラー!

と叫び続ける。

(Ya Allah=おお神よ=Oh my God!)

 

ひたすらに。

 

「ご、語彙力…」とか思うが、まぁそれも慣れた。

 

断交中 サッカー観るなら beINで

 

さて、アジアカップをテレビ観戦するためには、実は大きな問題がある。

カタールが参戦していることだ。

 

2017年6月より、UAEはカタールと国交を断絶している。

そのため、カタールに関連する放送局や、

関連する番組はシャットダウンされており、

通常は見ることができなくなった。

(昔はアル・ジャジーラだって見れたのに。。。)

 

大方の放送局は、カタールの試合を放送しないという選択肢をとる。

 

サッカー好きの多いドバイ勢、どうする。

 

そんなときでも見れるのは!

beIN Sports !!

 

beINはカタールのアル・ジャジーラ系列の

スポーツ専門チャンネルである。

・・・なんでbeINは見れるのだろう。

理屈はわからないが、これだけは見れる。

 

そのため、私の周囲はスポーツをテレビで見るときは常にbeINである。

 

メディア側がそんなセンシティブなことを考えているにも関わらず、

サウジとカタールがアジアカップで同じグループであったことには

皆んなでちょっと笑った。

もうダイレクトに当たるやんけ。

 

国交断絶とメディア

 

いくら「カタールに関連するチャンネルは禁止」だの

「国境封鎖」だの「電話不通」「渡航禁止」「銀行ストップ」

などと言ったところで、今は21世紀。

 

その程度でヒト・モノ・カネ・情報を止められる時代ではない。

 

我々は日々、そんな「古典的な」ツール以外の

様々な手段を自然に使っている。

 

テレビという「古典的ハードウエア」でアル・ジャジーラが見れなくなっても、

Facebookのタイムラインには、今もアル・ジャジーラのFB Pageが投稿する動画、

つまりアル・ジャジーラ目線のニュースが流れ続けている。

アル・ジャジーラのFB Pageは、

国連でのネタニヤフ・イスラエル首相の演説を全世界にライブ配信したりとバンバン活動している。

 

電話回線が通じなくなっても、インターネット回線は何事もなかったかのように封鎖のバリアを越えていく。

 

古典的でEstablishedな手段を封じた程度で満足しているようならば、滑稽ですらあるのではないだろうか。



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