日本はラッピング大国?

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日本人はラッピングが得意?

 

ドバイの奇抜な人工島や

ペルシャ湾岸のホテルたちが

夕日を受けて逆光に浮かび上がってきた頃。

 

会議室から楽しそうな声が聞こえてきた。

 

マーケティングのイケイケ女子たちが集まって、何か作業をしているようだ。

明るい声に混じって、ガサガサ、ゴソゴソした音も聞こえてくる。

 

しばらくガヤガヤしたあと。

その悲鳴は聞こえた。

 

Ah…!! We need Japanese !!

(あ〜日本人が要る!!)

 

お呼び?

 

会議室のドアからひょっこりと顔を出したフィリピン女子が、私を手招きする。

やはり呼ばれているようだ。

 

会議室へ行ってみると、

机の上に広げられていたのは

50個くらいの当社のロゴ入りギフトボックスと包装紙、

そしてダイソーで買ってきたらしいピンクのリボン。

 

5つほど既に包装されていたが、正直言って下手

5つそれぞれ、違う場所でテープが貼られ、

5つそれぞれ、違う形にリボンがかかっていた。

そしてリボンの半数はユルユルだ。

 

どうやったらそんなにバリエーション豊かな仕上がりになるのだろうか。。。

 

それらを前に、アメリカ人、カナダ人、フィリピン人、バハレーン人が途方に暮れているという状況だった。

 

その場を牛耳るマネージする金髪アメリカン女子が言った。

お得意様にギフトを配るんだけど、ラッピングを教えてくれないかしら

 

マスコットキャラのような「我が社のミニヨン」ことフィリピン女子も言う。

YouTubeで見たの!日本人はラッピングが得意だって

 

日本オタクのバハレーン君も言う。

倍速再生かと思ったら通常速度再生なんだぜ!?あのビデオ、アメージングだ

 

きっと彼らは「ラッピング やり方」「how to wrap a gift」といった言葉でググった結果、

日本の百貨店の店員さんが高速でラッピングするYouTube動画などに至り、視聴したのだろう。

 

そうでなくとも日本人の手先の器用さは世界的に有名だ。

 

「そういえば我が社に日本人いるじゃん。あいつなら、できんじゃね?」と思い当たったようである。

 

期待値。

期待値高いよ。

 

上手?下手?合格基準はどこ

 

ちょうどよかったことに、私はラッピング作業がけっこう好きだ。

 

凝ったことができるワケではないが、

友人宛のプレゼントを好みの形に包むくらいなら朝飯前だ。

 

ひょいと1つやってみた。

包む。止める。縛る。

 

「Wow…」

「Amazing…」

「So fast…」

「Only 1 tape she used…!?」

 

え?こんなもので喜ぶの?

 

本当に私はただの一般人だ。

「実はデパートの催事でバイト経験が」なんていうチートもない。

普通の包装を見せただけでこの感激ぶり。

 

正直ちょっとフフンってなった。

 

皆が私のやり方を見ながら、包装作業を進める。

私「ここでリボンをツイストして。タイトになってるか確認して」

ドヤ顏で指導する。

 

人海戦術で50個のギフトボックスを仕上げていく。

 

しかし、どうしても上手・下手が出る。

 

私「あーこれはリボンがゆるい」

「リボンのツイストが中心にきてない」

「やり直し」

 

そのダメ出しを見ていたバハレーン君がしみじみ言った。

バハレーン「あぁ、これが日本だ。。

 

ん?どれが?

 

バハレーン君「不足している点を見つけ、それを基準に至るよう修正し、均一な品質に仕上げようという、その発想のシステムが、だよ!君にとってはとても一般的な思考様式で、特に自覚がないかもしれないが、それは日本人らしい、独特の発想だよ

 

既にリボンを投げ出して手遊びしている金髪アメリカンも言う。

金髪「私の小学校の先生は「ベストを尽くしたか」「前よりも上手になったか」を基準に褒めてくれたわ」

 

カナダ君「あぁ自分の先生のことを思い出すよ。どんなにダメでも下手でも、ベストを尽くしたよと言えば褒めてくれたな」

 

思いがけず、教育上の評価基準の話である。

 

カナダ君「ヘイ、俺いまベスト尽くしてるんだけど。ダメ?笑」

私「ダメ。今日の講師は日本人だからダメー!笑」

 

バハレーン君「不足な点を見逃さないメンタリティのおかげで、日本は「品質の統一」というクレイジーな偉業を成し遂げたんだ。それがSONYやTOYOTA、MUJIを生み出した、そうだろう?」

 

ふふん。

そう言ってもらえると鼻が高い。

 

バハレーン君「でもね」

 

 

バハレーン君「You know, they invented Apple and Google

(彼ら(アメリカ・カナダ側の行動様式)がアップルとグーグルを生み出したんだぜ)

 

深い!!!

定義なきゴールへ向かって走れるか

 

定義なきゴール、定義なき到達点へ向かって、

自分としてのベストを尽くしたか?

という観点から評価されて育つ、ということ。

 

それが、AppleやGoogleを生み出した国の様式だ。

 

明文化されたゴール、定義された水準を目指して、

その指定通りの結果を出せたか?

という観点から評価されて育つ、ということ。

 

それが、20世紀型工業化社会の優等生、我々日本の様式だ。

 

なんだか私は悔しかった。

 

確かに、指定通りの結果を出すというのは良いことだが、

それでは開拓者にはなりえない

 

ディスカバーしていく者。

フィックスしていく者。

もちろん両方が必要なわけだけど。

 

そんな昨今言われ続ける日本式へのダメ出しを、

まさかこんなところで

ヒシヒシと感じることになるとは、不意打ちである。

 

普段「バラバラな体裁で書類提出しやがって」とか

「それは調整できたとは言わんぞ!」なんて思っていた

「そちら側」の人々が、なんだか一瞬だけ、キラキラして見えた。

 

が。

 

私「・・・はいはいはいはい今日のラッピングに必要なのはイノベーションじゃなくてクオリティ

受け取ったお客さんが「わー素敵」と思うかどうか!

それにはユルユルのリボンじゃだめ!やり直しやり直しー!」

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