アラブ風の名前がほしくて
いつの頃からだろうか。
覚えていない。
ということは、何かきっかけとなる重大な出来事があったわけではないのだろう。
とにかく、これは3年以上も前の話だ。
ドバイで日々を過ごしていくうちに「アラビックネームがほしい」と思うようになった。
英語圏でいうところの
マリコちゃんがメアリーになったり
ジュンコちゃんがジョアンナになったり
ああいうやつだ。
この土地で親しまれた、呼んでもらいやすい(日本名は聞き間違え多し)そんな名前がほしくなった。
アラブ風の名前ってどんなもの?
さて、アラブの女性の名前にはどのようなものがあるのか。
当時の自分の知識では
ファーティマ
アーイシャ
ジャミラ
モナ
ヤスミン
ライラ
程度しか思い浮かばなかった。
・・・少なっ!!!
(流石に現在はもっと思い浮かぶ)
誰に名前をつけてもらうか
いかに「自分用」とはいえ、名前をつけるというのは重大な行為。
こんな少ない選択肢の中で、なんとなく選ぶのは嫌だ。
ちゃんと名付けるにはどうしたらいいのか。。。
普通は「生まれたときに」「親が」という、限定的なシチュエーションでしか行わない、名付け。
やはり信用できる人に依頼するのが一番だろう。
そこで思い浮かんだのが、ドバイ生活でいちばんお世話になっているとあるエミラティ(UAE人)御一家のお父様である。
とても教養が深く幅広く、勤勉でスマート。
しかも「日本というもの」を酸いも甘いもよく分かっている。
由緒あるドバイのビジネスファミリーだ。
尚、当然のように超絶お金持ちだが、それは今日の話題の本質ではない。
私にとって「エミラティのイメージ=この御一家」であるため、いわゆる「金持ちのワガママ坊ちゃん」みたいなテンプレ的エミラティに出会うと、いまだに新鮮さを感じるくらい、勤勉でスマートな御一家である。
というわけで、お願いするならこの人たち、と決定。
ある日。
家長であるお父様(めちゃくちゃ頭がいい)に頼んでみた。
「アラビック・ネームをつけてほしい」と。
一瞬きょとんとしていたが、快く引き受けてくれた。
あなたの名前の由来は何?
まず聞かれたのが、「君の日本名はどういう意味なのか?」ということ。
英語圏の名前(聖人の名前を丸パクリがち)とは異なり、「日本人は意味を含ませて名付けるものだ」ということくらいは既にご存知だ。
そして実は、アラブは日本と同様に、意味を含ませた名付けをする文化である。
私は自分の名前を説明する。
元々こういう意味で。
こう理解することもできて。
こういう由来で。
両親はこういう意図を込めて。
うんぬん。
それを聞き、お父様は、指で白髪混じりのヒゲを撫でながら、しばし考える。
そして。
「それならば、我々の文化には
XXX、またはXXXという意味の名前がある。
Bushraという名前だ。
君の日本のご両親が意図した意味と
まったく同じではないが、
かなり近い意味合いではないだろうか」
そう、
私の両親が名前に込めた意図はそのままに、
「その意図を日本式に表した=日本の本名」
「その意図をアラブ式に表した=アラブ名」
となるように、考えてくれたのだ。
こうして決まったのが、
いまブログの執筆者として名乗っているBushraである。
アラビック・ネームを名乗って
こうして決定したアラビック・ネーム。
私はストンと気に入った。
本名を反映していること、
信頼する人に考えてもらったこと、
定番すぎないこと、
かわいらしすぎないこと、
(私アーイシャとか名乗れない。。)
色々な角度から気に入っている。
日常生活で使うことは滅多にないが、
ずっとずっと
大切にしていくつもりである。
あなたがもしアラブ絡みで活動していて、
アラブ名に興味があれば、
あなたの日本名に近い意味のアラブ名を、
調べてみたら楽しいかもしれない。
人によっては直訳でイケる人もいるだろう。
ひかりちゃん=ヌールちゃん(光)
まさしくん=アミールくん(将軍)
といった風に。
その土地らしい名前を名乗ることは、
初対面の会話の取っ掛かりになるし、
その土地の人々に
こちらが興味関心を持っていることを示し
距離感を縮められる
ひとつのきっかけになるかもしれない。
2020.04 追記
すみません今度は逆に日本人に覚えてもらいにくすぎてMonaに変えましたゴメンお父さんwww
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