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ラマダン商戦とは何か?(消費者目線)

中東ビジネス

ラマダン商戦とは何か?

ラマダン中、ドバイの街では

ラマダン商戦」なるものが展開される。

 

日本でいうところの

「クリスマス商戦」やら「バレンタイン商戦」やら

そんな感じだ。

 

断食とショッピングに何の関係が?

と侮るなかれ。

 

これはビッグイベントなのだ!

 

昼間(お腹ペコペコ、喉カラカラ)のモールは閑散としたものだが、

それが夜(お腹いっぱいテンションMAX)になると、

大勢の人が押しかける。

 

そう、ラマダン中は

夜が買い物のピークである。

 

日没の合図とともに夕食(イフタール)を終えたあと、

日の出までの貴重なエネルギッシュな時間に

ショッピングを楽しむ。

 

空腹と乾きから解放された開放感

ラマダン月だという特別感

いつもより夜更かしする高揚感

子供には特別お小遣い(お年玉)が出たりして。

それらはショッピング欲を刺激する。

 

そこを狙うのがラマダン商戦である。

 

関連記事:ラマダン商戦を仕掛けてみた(ビジネス目線)

ラマダン商戦のショッピングモール営業時間

ラマダン期間中、ショッピングモールは営業時間を延長する

 

例えばドバイモールは、

通常24時でクローズするが、

ラマダン中は2時または3時まで営業。

エミレーツモールは2時まで営業

 

普通の時間に閉店しちゃうと罰金らしい。。。

 

こうして深夜に粘っていると、

イフタールと食後のお茶が落ち着いた頃、

または夜明け前の朝ごはんへ向かう流れで、

ウキウキした黒アバヤ姿のアラブ女性たちが

大勢で連れ立って

お買い物に来るというわけだ。

ラマダン・デコ

この期間、ショッピングモールをはじめ、大通りも、街角も、

どこもかしこもラマダンらしい飾り付けがされる。

 

ラマダンらしい飾り付けとは、

三日月や星のモチーフ、ランプのモチーフ、

または伝統的カリグラフィーなどによる

デコレーションのことだ。

 

日本でいうクリスマス前のようなワクワク感がある。

買い物袋もこの通り。

季節に合わせた限定デザインの袋が用意されていた。

ちなみにこれはファマシー(ドラッグストア)の袋。

ランプのデザインがかわいい。

ラマダン限定商品

ラマダン限定商品や、

ラマダン限定おまけサービス、

ラマダン限定プロモーション・ボックス、

など、様々な商品が購買意欲を刺激する。

例えばこちらはVictoria’s Secretのボディケア商品。

季節限定パッケージだ。

はぁ。かわいい。

 

ラマダン2019ヒット商品!

すみません。

私が勝手に名付けました。

 

数あるラマダン限定商品の中でも、今年2019年、

ドバイ女子のInstagramに投稿されまくったのがこちら。

世界的コスメブランドM・A・Cが、

アラビック・カリグラフィー・アーティストeL Seed氏とコラボして発売した、

限定コフレ

 

化粧品とアラビックテイストの

コラボレーション・・・

ときめきが止まらない!!!

中東女子のハートを掴みすぎである。

 

個数限定だったので、買えた人うらやましい。

 

飲食業界のラマダン商戦

飲食業界にも当然ラマダンの波は来る。

(むしろ本丸か)

 

様々なパターンがあり

・昼間は休業し、夜〜早朝の営業に全力尽くす

・いつもどおりの営業をする

・いつもどおり+深夜営業する

など工夫して商売されている。

 

なるほどな、と思ったのがこちら。

宅配アプリUberEatsの画面である。

Suhoor(夜明け前の朝ごはん)向けオファーとして

夜22:00〜早朝04:00の時間帯

プロモーション価格が設定されている。

 

なるほど、確かにSuhoorは

早朝というよりまだ深夜なので、

宅配の需要は高そうだ。

 

しかし50%オフとは思い切っている。

 

エンタメ業界のラマダン商戦

ラマダン商戦があるのは小売だけではない。

エンターテイメント業界も同様だ。

 

たとえばラマダン初日の新聞広告がこちら。

Dubai TVというチャンネルの広告だった。

アラビア語新聞Al Bayanにデカデカと載ってきた。

(正確には全面広告で本誌を包み込んでいた)

 

おじさんのドラマから、ファンタジー、アニメまで。

ラマダン番組の宣伝である。

 

日本で夏休み特番があるのとよく似ている。

 

ラマダン時期は、飲み食いの制限の関係や、勤務時間が短くなったりする都合上、

自宅で過ごす時間が長くなり、そのためテレビが活気付くという構造だ。

 

「今年のラマダン・ドラマおもしろそうだねー」

なんて会話をしている。

 

映画も人気だ。

私が個人的にツボだったのが、予告編。

 

日本では、よく映画の予告編で、こういうのがある。

 

それが、ラマダン商戦の映画館では、こうなっていた。

 

 

・・・このラマダン!!!

 

ザ・お国柄。

(実際は英語なので「This Ramadan」という表示)

 

ラマダンを楽しもう

日本では「飲食を断つ」ことばかりが伝えられがちなラマダンだが、

現地に飛び込んでみると、

ラマダンには様々な側面があることに気づかされる。

 

それは宗教的な心の持ちようの面だったり、

または逆に

こういった娯楽的な面だったり。

 

ラマダンと聞くとついつい辛そうで

敬遠したくなるかもしれないが、

その時期のその土地だからこそ

垣間見ることができる風景や

体験できるものがある。

ぜひ味わってみてはいかがだろうか。

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