ドバイの2大ショッピングモール
ドバイのショッピングモールと言えば、世界最大の床面積を誇るドバイモール(The Dubai Mall)。
そのドバイモールと双璧を成すのが、館内にスキー場があることで有名で、「かつて」世界最大だったこともあるエミレーツモール(Mall of the Emirates)。
それぞれ異なる企業によって経営されており、あっちがこうくれば、こっちはこう出る、ライバル関係である。
そんなドバイTOP2のショッピングモールが最近、お買い物のポイントシステムを相次いで発表し、顧客獲得バトルを展開しているので、紹介したい。

私たち消費者は、そのポイントを駆使して賢くショッピングを楽しんじゃおう!
日本にいた頃はTポイントとか貯めていた私。今はそれと全く同じノリで、ドバイモール、エミレーツモールでせっせとポイントを貯め、貯まったポイントは次回のお買い物の支払いに充て、お得に楽しんでいる。ふはははは。
ドバイモールでマイルを貯める
まずはドバイモール。
ドバイモールで貯められるポイント類は3種類ある。順番に紹介したい。
エミレーツのスカイワーズ・マイル
ドバイモールで真っ先に貯めるべきはエミレーツ航空のスカイワーズマイル。
いわゆる陸マイラーというやつだ。
使用するのはこの「THE DUBAI MALL」というアプリ(白いアイコン)。
ドバイモール内のお店ならどこでもいい、(服屋、雑貨屋、レストラン…etc)100AED以上お買い物したレシートの画像を、ドバイモールのアプリにアップロードすると、買い物金額に応じたマイルがもらえる。
還元率は、エミレーツでのティア(ランク)によって異なる。
- Blue:買物7.34AEDで1マイル
- Silver以上:買物3.67AEDで1マイル
ちなみに私はこれまで貯めに貯め、ドバイモールの中だけで30,000マイルは稼いでいる。(自分の買い物だけでなく、仕事の買い物の立て替えも含むが。)
この数字に「空で」稼いだマイルは含まれていない。地上だけで稼げるマイルとしては、なかなかイケてるのではないだろうか。
EMAARカードもおすすめ
また、同時にオススメなのがU by EMAARという、エマール・ブランドのクレジットカードだ。
私が愛用するEmirates NBD銀行から発行されており、国際ブランドはVISA。
ブルジュ・ハリファ在住者にとっては券面が自宅デザインのクレジットカードということになるのだろう。
エマールとは、ドバイモールやブルジュハリファを手掛けるデベロッパーである。
エマール商圏でそのカードで買い物すると、ざっくざっくとポイントが貯まるようになっている。溜まったら、同じくエマール商圏での買い物での支払いに充当できる。
また、持っているだけで割引になる施設も多い(ドバイモールの映画館、アドレス系列のホテル、ドバイモール内の複数のレストランなど)。
ドバイにそこそこ長く住むつもりで、ドバイモールに買い物に行くよという人には、けっこうオススメ。
還元率はこんな感じ。
一般カード
・エマール商圏内で100AEDの買物ごとに62.5ポイント付与
・エマール外では100AEDの買物ごとに12.5ポイント付与
上ランクカード
・エマール商圏内で100AEDの買物ごとに75ポイント付与
・エマール外では100AEDの買物ごとに15ポイント付与
(※たまにエマール商圏内でも、準備や周知が間に合っておらず対象外のショップがあるので要注意)
各ショップのポイントも
もちろん、ドバイモールの中のショップで、独自のポイントカードを発行している店舗もたくさんある。
ギャラリー・ラファイエット、セフォラなどなど。
そういった店舗で、
- EMAARのクレジットカードで支払い
- ショップのポイントカードにポイントを貯め
- そのレシートをドバイモールアプリにアップ
すると、なんとポイントの三重取りが可能である。(あぁ私の貧乏性が滲み出ている…)
ちなみにあんまり知られていないけれど、ドバイモール内のギャラリー・ラファイエットのポイントカードは、館内カフェでいつでも何度でも飲み物が無料で飲めたり、エステが月1回無料になったりするのでオススメ。
エミレーツ・モールとシティセンターでポイントを貯める
最初に紹介したドバイモールアプリが大人気になった結果、苦戦を強いられたのが、ライバルのエミレーツモールである。
なんといったって、エミレーツモールに入っているショップは大抵ドバイモールにもある。そこで「ドバイモールで買うとマイルが貯まるなら、ドバイモールで買おう」と言う消費者心理が働くことは容易に想像できる。(←というか私自身がそうしていた。)
そして、ドバイモールに遅れをとること1年以上(!)、ついにエミレーツ・モール及びその系列であるシティ・センターが反撃に出た。
彼らが打ち出したのがSHAREというアプリ。(右の赤いアイコン)
これは、エミレーツ・モール及び、系列のシティ・センターというショッピングモール群の全支店で貯められるお買い物ポイントアプリである。
仕組みはドバイモールのアプリとほぼ一緒。
モール内のどこのお店でもいいので、買物をしたレシートの画像をアプリにアップするだけだ。
還元率はこんな感じ。
- 40AEDの買物ごとに1ポイント付与。
- 溜まったポイントは、10ポイント=1AEDとしてRedeem。
実際に貯めてみたアプリ画面はこんな感じ。
ドバイモールのアプリと違うのは、こちらには「最低100AED〜」という制限がない点だ。
たかだか10AED(約300円)程度の買物でもポイントを貯めることができる。
そして、なんといっても対象店舗数が違う。
高級!トップ!頂点!なドバイモールとは異なり、庶民の生活を支える普段使いのモールとしてUAE全国どころか他国にまで張り巡らされたシティ・センター・ショッピングモール群のネットワーク。
少数のトップをおさえる戦略か。
大多数の庶民をおさえる戦略か。
果たして勝つのはどっちだろう。
なかなか面白い戦いである。
EMAAR Malls
さて、ここからは各モールのビジネス的な雑談をしていこう。
ブルジュ・ハリファで有名なデベロッパーEMAARが運営するショッピングモール群は、今回ご紹介したドバイモール(The Dubai Mall)と、同じくドバイにあるマリーナモール(Marina Mall)の2軒。
尚、アブダビのマリーナモールは全く別モノ、別会社。
ドバイモールは世界最大のショッピングモールであり、UAEではここにしか出店していないハイブランドショップも多々あるため、トップ・ショッピングモールとして不足はない。
ブルジュ・ハリファも直結しているし、スケートリンクや水族館、映画館、キッザニアもある。
世界一高い建造物に、世界一高い場所にあるレストランに、世界一の1枚ガラスに・・・ここだけでギネス記録がたくさんあっていいのだろうかーーーそんなモールだ。
それに対しマリーナモールは、さしたるブランドは入居していないし(とても普通)、公共交通機関との接続も微妙〜なラインでよろしくないので、わざわざショッピングをしに行く必要性は感じない。
こちらのウリは、ショッピングよりも、超高層ビルを背景にヨットが停泊する、おしゃれなマリーナに面したキラキラ景色のレストラン群だと思う。「インスタ映え」というやつだ。
話題のレストランがずらりと並ぶレストランビル「Pier 7」も隣接する。
マリーナモールを訪問する目的は、絶対に買い物より食事だろう。
マリーナの夜景
ちなみに、やたらとお金持ちイメージの強いUAEだが、実は、国内で超高級ブランドが結集しているモールは、ドバイモールと、同じくドバイのエミレーツ・モール、そしてアブダビのガレリアモール(The Galleriaモール、2019年9月に拡張してAl Maryah Central Mallとも呼ばれる)の3軒のみである。
City Centre / Majid Al Futtaim
対するエミレーツ・モール側を経営するのは、ドバイ最大の財閥のひとつであるAl Futtaim(アル・フタイム)グループの小売部門、Majid Al Futtaim。
UAE国内で15軒、中東全域で24軒のショッピングモールを経営する。
中東各地で見かける「なんちゃらシティセンター」というのは全てこのグループだ。
各地のシティセンターには、フランス系スーパーマーケット・カルフールが入居しているが、カルフールも同じくAl Futtaimにより運営されている。
基本的に価格帯は庶民的で、ファミリー層をとらえる。
(Mall of the Emiratesだけは例外の高級業態)
立地は、市街地よりも郊外を好み、郊外のベッドタウンの中心的存在になるよう出店している。
日本でいうイオンのような存在だ。
UAEのフジャイラ・シティセンター。周囲は荒野。
ちなみにイランのイスファハーン郊外(南)の山を越えた土漠の向こうにすら出店している。
いくら郊外型とはいえ、あれは郊外すぎて、道中は、道を間違えたんじゃないか?私はこのまま土漠の荒野で立ち往生するんじゃないか?とめっちゃ不安になったレベル。
(Isfahan City CentreでGoogle Map検索してみてほしい)
まさにイオン的な出店戦略である。
イスファハン・シティセンター。
パチもん多目。
館内の最高級ブランドはZARAだった(2017年)
他にも様々
尚、ドバイ、UAE及び周辺諸国のショッピングモール事情を把握したいなら、上記の他にも、以下のような社名をおさえておくといいだろう。
- 新進気鋭のおシャンティ施設を連発するMERAAS
- 安くて大容量!インド系ハイパーマーケットLuLu
- Oasisって名前がつくモールは大体Landmark
- 過去の繁栄が霞んでしまい最近おされ気味だけど巻き返しを図るNAKHEEL
とかとか。
尚、ドバイ・ビジネスの入門書はこちらがおすすめ。
古いけれど(なんと2010年発行)、現在に至るまでこれを上回れるドバイビジネス・ドバイ経済の入門書がないというのが実情。
ここに書かれている情報を基礎・柱として、最新情報を随時アップデートしていくのがよい。
基礎を把握したら、関連する書籍や自分の攻めたい分野の書籍で最新情報を追加、アップデートを忘れずに。
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