コロナで仕事はどうなった?ドバイ現地企業の場合

ドバイとコロナ 働く

世界のご多分に漏れず、UAEドバイの企業も、コロナウイルスの感染拡大に大きな影響を受けている。

この記事を書いている現在、私自身もロックダウン生活中である。

今回は、私のお仕事状況の紹介を通じて、在ドバイの非日系・現地民間企業の1事例を(差し支えない範囲で)紹介し、ドバイの経済と雇用について、つらつら書き綴ってみたいと思う。

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コロナで仕事はどうなった?

勤務体系

ドバイメトロ

まず勤務体系については、当社の場合、以下のように推移した。

(黄色=当社の動き、=社会の動き)

______________

3/17(火)当社リモートワーク化を決定

(DIFCで感染者が出たという情報が伝わってきた日。国内死者数はまだゼロ。)

この日、社長の独断でリモートワーク化を決定し、発表。社員は徐々に必要な荷物を持ち帰り始めた。

この時点ではまだ、国からの指示や、ビルからの退去要請などは一切なかったので、当社の決断はやたら早かった。他社はどこも通常運行。

↓↓

3/19(木)当社リモートワークを開始

どうしても物理的な出社が必要な人を除いて、全員がリモート化を完了。

私自身は、自宅やカフェ、取引先などを行ったり来たりして仕事を進めていた。

↓↓

3/23(月)UAE外出自粛のアナウンス

この頃から日系企業からも「そろそろリモートかな」という声がちらほら。

↓↓

3/25(水)UAEショッピングモール閉鎖

卸先の9割近くがモール内にあるため、商売が八方塞がりになる。

あらゆる仕事が延期&中止になり、手持ち無沙汰に。給料もらうのが申し訳ない気がしてくる。

↓↓

3/26(木)UAEリモートワーク義務化される

社員の8割のリモートワークを義務化する通知が出た。当社は既に1週間前からリモート化していたので特に変化なし。

3/26(木)私、有給取得を決定

この日を以って私は仕事をストップ。「復帰日未定の有給休暇」へ突入した。まぁ使いきれない日数の有給が残っていたのでちょうどいい。

↓↓

4/4(土)フル・ロックダウン

 

そして、今日現在(4/10)以下のような状態である。

  • 出勤している者はゼロ(禁止)。
  • 経営陣、人事、経理、物流班の一部、通販部門、Webマーケティング、広告デザイナーはリモートで勤務。
  • それ以外(私含む)は有給休暇。

 

尚、ロックダウン生活については以下の記事をご参照。

商売と業務

ネット通販

ほとんどの販売店が閉鎖してしまった今日、売上の生命線はご多分に漏れずネット通販である。

そのため、ロックダウン中の現在も、

  • サイト運用を担当している人間
  • 購入を促すマーケティング部門
  • PR画像や動画を作成するデザイナー陣

このあたりの面々は忙しく稼働している。

 

まだ人の往来が自由であった頃には「あとXX日でUAEーサウジ国境が閉まるから、それまでにトラックを送り出せ!」といった駆け込みがあり、物流まわりがとても騒がしかったのを覚えている。

 

一方の管理部門では、人事が大変な様子が伺える。詳しいことは私からは見えないが、社員の休暇や賃金のコントローラーたる人事部は、今ごろ頭を痛めているようだ。

リモートワークへの移行

リモートワーク

我が社はリモートワークへの移行がやたらと早かった。

 

早かった要因は、3つある。

普段からWebサービスを駆使していた。

普段からWebサービスを駆使する習慣があり、抵抗がなかったのが第一の要因だ。

オフィスワーカーの全員がMacbook Air(ノートPCと外付けモニターを支給されており、メールだけでなく各種チャットアプリクラウドサービスオンラインプロジェクト管理ツールWebデータベースサービスを日常的に使っている。

普段から書類は紙で残すな、クラウド上に保存せよという方針だった。

そのため、各自がPCさえ持ち帰ればいつも通りの仕事が継続できる、というBCPが用意できていたようなものであった。

本人たちはBCPという言葉を知らないが、オンライン化を好む性格はこの度、見事にBCPとして機能した。

自分がかつて勤務していた日系企業は、eメールをプリントアウトしてファイリングして書棚に保管するタイプだったが、まぁ見事に真逆である。それぞれ一長一短だと思うが、今回の場合はオンライン好きの我々タイプが吉と出た。

 

在宅勤務の義務化が発表されて日系さんが「デスクトップPCを持ち帰れない」「いきなり義務化なんて」とオロオロしている頃、弊社社員は既に各々自宅でMacBook Airを膝に乗せて、使い慣れたチャットアプリを起動して、在宅勤務開始済みだったのである。

ちなみに弊社はIT企業ではない。輸出入を営む普通の商社(General Trading Company)である。

 

毎日オフィスに出勤する人間が元々少なかった。

弊社はUAE全体のみならずGCC諸国に大勢の社員がいるが、各国・各地方に散っている。そのため、ドバイのヘッドオフィスに毎日物理的に出社している社員は、実はわずか15名ほどである。

よって、フットワークが軽い。

オフィスを閉鎖する指示・決定・物品の持ち帰りなどのオペレーションもしやすかった。

各地に散っている社員は、元からリモートワークしていたようなもの。思えばこの「社員の散らばりっぷり」が、前述のオンライン化を好む性格を生んでいたのだろう。

 

たまたま1ヶ月前に、オフィスが漏水で1週間ほど使えなくなる経験をしており、結果的にそれがリモートワークの予行演習になった。

これは本当に偶然の産物である。

前月、つまり2月のある晩、天井(空調関連の何か)からばっしゃーんと水が降ってきて、オフィス全体がくるぶし丈まで浸水。すべての電源がダメになり、急遽リモートワークするハメになったのだ。

弊社は超高層ビルの空中階に位置するのだが、どうして最上階でも地上階でもないフロアが浸水するのか…まったく、いかにもドバイ・クオリティーな建造物である。(ドバイクオリティーとは「悪い」という意味ですよ)

というわけで。

その際、各自がPCを持ち帰り、家から業務を進め、オンライン共有されていなかったデータを洗いざらいクラウドにアップロードしたり…という経験をしていた。皮肉にもそのときの経験が即座に活かせてしまったのである。

 

↓↓このとき。

ドバイ経済はどうなる

ドバイみやげ

ぶっちゃけドバイの景気って

今後、ロックダウンの効果が現れて感染者が減少していくのか、ショッピングモールがいつから再開するのか、街がロックダウンしたままラマダンに突入するのか、ラマダン営業との兼ね合いはどうなるのかーーー

断言することは誰にもできない。

 

長期戦に備えて、今まで実店舗の対面販売しかしていなかった小売店・飲食店が、続々オンラインに進出している。

ドバイ経済発展の象徴ともいえるエミレーツ航空すらまともに飛んでいない。

東京オリンピックと同様、ドバイ万博も翌年へ延期になった。(ということは、ドバイ万博めがけて建設されているマンションやホテルのオーナーたちは、一気にキャッシュフローが悪くなった。同様のことが、ありとあらゆるところで起きているわけだ)

 

私は経済の専門家ではないので、かしこまった考察の発表などをするつもりはないが、一応言っておくと、

実はここ数年ドバイの景気めっちゃ悪かったんだけど、2020年の万博に向けて国家の威信をかけてキラキライメージを全力で取り繕っていたところ、コロナがトドメを刺しに来ちゃった感。

である。

果たして化けの皮が剥がれるのか、もうちょっと持ち堪えることができるのか。

出稼ぎの街と雇用

国連によると、2020年にアラブ諸国で170万人の雇用が喪失される可能性があるらしい。

Arab world risks losing 1.7m jobs due to coronavirus, says UN
Arab nations' gross domestic product is expected to shrink by at least bn in 2020

今のところあからさまではないが、じわじわ失業者が増えてるのは間違いない。

 

本来、人口の9割近くが外国人という出稼ぎ受入れ大国であるUAEでは、ビザと雇用が結びついているため「失業=帰国」である。つまり、仕組み上、UAEに外国人失業者は存在しないことになっている。

クビ(帰国)を恐れさせることが、ワーカーを従順にさせ、軽犯罪すら起こさせない仕組みとして機能していた。それが観光地ドバイの治安の良さを語る際の、ちょっとダークな根拠の1つでもあった。

しかし今は、空路が非常に限定されており、物理的に国外追放が不可能な状況のため「ビザが切れても罰則なしでUAEに滞在できる」という特例措置がなされており、つまり「UAEに外国人失業者が存在しうる」という異例の事態が起きている。

ある程度の蓄えができるであろうホワイトカラーならばともかく、真っ先にクビを切られているであろうブルーカラーの労働者たちが、この物価の高いドバイで、どうやって糊口を凌ぐというのだろうか。

体面を気にするドバイのことだから、彼らが軽犯罪などに手を染めずとも済むよう、何か手を打つのだろうが、「常識がガラリと変わった」感は否めない。

フェンス

私自身、最悪の場合、会社が倒産したり、解雇になったりすることもありえるだろうーーという心算で生活している。

というか、もし当社が誰かを切る必要があるならば、できれば私から切ってほしいとすら思う。私1人分で、フィリピン人やインド人の2〜3人分の雇用が守れるはずだからだ。

私は祖国日本へ帰国したとしても、食うに困らないカネなら稼げるだろうが、フィリピンやインドから来た彼らは、今ドバイで稼いでいるのと同程度の賃金を祖国で稼ぎ出すことは絶対に100%不可能だ。そして彼らはみな仕送りをしており、1人の背後で複数人が口に糊している。

そう思うと「雇用を守られるべきはあいつらだよなぁ」と思う。

 

まぁ今の時点で首切り話は全く出ていないのだが、最悪のパターンを想定しておけば、大体の物事が想定の範囲内でおさまるだろう。

 

今後、いつこの有給休暇を切り上げるべきか、見通しは立っていない。幸い、残日数はまだまだあるので、報道や状況を見ながら焦らず臨機応変に判断するだけだ。

自分は感染症のプロではないから、ヤキモキしたところで「下手の考え休むに似たり」。無駄な消耗なのである。

自分で決められるもの、自分では決められないもの。

自分で変えられるもの、自分では変えられないもの。

これらを線引きして、できることをやっていくのみである。

 

※後日談↓↓

情報源

※最新の正確な情報は、公的機関や、適切な照会先によるお知らせを必ずご確認ください。
参考■在ドバイ日本国総領事館
参考■現地大手メディア
参考■エミレーツ航空コロナ対応特設ページ
参考■エティハド航空コロナ対応特設ページ

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