コロナで化粧品が売れなくなった
コロナで売れなくなった物の代表格と言えば、化粧品であろう。
外出が減り、マスクが義務になり、化粧の必要性が激減してしまったからだ。
これまで私たち女性は毎日のように化粧をしていた。
その理由は義務感であったり趣味であったり、人によって様々であるが、ギャルからおばぁちゃんまで、毎日毎日、何年も何十年も、継続して化粧品を消費しているものだった。
それが「外出禁止」「出勤不要」「マスクの着用」「パーティー・集会の禁止」などと畳み掛けられれば、化粧の楽しみも消費量も激減。売れるワケが無い。
私自身、昨今さっぱり化粧をしていない。
ロックダウン中は真面目に引きこもっていたし、外出可能になった現在も、赤い口紅の上にマスクを付けようものならマスクの中が殺人事件現場のようになってしまうこともあって、敬遠している。結果、あれこれ買い集めたコスメやブラシの数々は、ハイブランドからDAISOまで、どれも等しく所在なさげに部屋の片隅でつくねんとしている。
このデータによると、売れなくなった物トップ30のうち、12品が化粧品である。
■コロナで「売れた」「売れなくなった」商品TOP30
天下の資生堂でさえ、純利益96%の減少だという。この数値はもはや減少ではなく消失ではないか。
■資生堂、純利益96%減 1~3月
■「マスクしたら化粧いらない」…化粧品業界に地殻変動、4千億円のインバウンド消費蒸発
「4千億円が蒸発」ってすごい表現だな…。
この売上減、いや消失は、もちろん日本に限ったものではなく、全世界で起きている。
ドバイも例外ではない。
今回は、そんなコロナ禍と戦うドバイの化粧品ショップの様子を記録したい。
コロナ禍のコスメショップ
コロナ以降、コスメ・ショップに課されているルールが、どうにも購買意欲を削いでくる。
- テスターを置くことの禁止。
- タッチアップ(販売員が客の顔に実際に化粧を施して、色味や使用感を試すこと)の禁止。
- ポリ手袋の着用(SEPHORAのみ)
不特定多数の人間の粘膜に試供品が触れることを防止するため。
販売員と不特定多数の客が、近距離で濃厚接触することを防止するため。
ーという理屈は分かるのだが、色味を確かめずに化粧品を購入することはとても難しい。
化粧品というものは、その色が自分に似合うのかどうか、実際に顔に乗せてみないと全く分からないものだ。特にファンデーションは色選びを間違えるとどうしようもなく、捨てるしかない。
となると、「今まで使っていた商品を使い切ったので、同じ色をもう一度買いたいわ」というリピーターくらいしか購入を即決できないことになる。
お試しできないのは致命的。気になる新商品があっても、買おうとは思えなかった。
口紅。テスターが全て撤去されている。
ファンデーションもテスターが全撤去されている。色味の確認ができない。
ビニールで覆われたアイシャドウの商品見本。
セフォラの入口では、警備員が手袋を配布しつつ、入店人数制限のコントロールを行っていた。
販売員たちは、普段なら入店するなり「マダーム!トラーイ!」とうるさいくらい声をかけてきたものだ。しかし、タッチアップができないとなれば、彼女たちはほぼほぼ、お役御免である。
そんな販売員たちの多くが、こうして街から姿を消した。
BOOTS等ファマシーの店内を、店員に声かけられることなく、まっすぐ歩けてしまう不気味さよ。
タッチアップの代わりに
なるほど興味深かったのが、コレである。
タッチアップが禁止されているので、絵で色を説明するという試みだ。
ドバイらしくニカーブ姿(左上)もあるし、時世を反映したマスク姿(下中央)もあり、国際都市らしく表現する肌の色は幅広い。
絵というツールを使って「この色は、こんな雰囲気になりますよ」「このアイシャドウにはこの口紅がマッチしますよ」と、できる限り伝えようとしていた。
ラマダン・コスメ
さて。マスクだのなんだのの規制をおしてまで、何を求めて化粧品ショップに行ったのか、というと、今年のラマダン・コスメを探していたのだ。
ドバイのロックダウンの解除は、ラマダンの開始と同時であった。ラマダンには、期間限定商品や、プロモーションパックが多数出る。それが毎年とても楽しいのだ。
(ラマダンが終わっても売り切れるまでしばらくは店頭に並んでいる。)
今年(2020年)M・A・Cから発売されたラマダンコスメがこれ。私はこれを見たかったんだ。。。
ちなみに昨年(2019)はコレ。アラビック・カリグラフィーをほどこしたコスメが本当に本当にかわいくて、大ヒットした。速攻で完売していた。
こんな風にコスメにときめき、楽しくショッピングをする習慣はいつ戻るだろう。
コロナ禍とショッピングモールの再開
ロックダウンが解除され、ショッピングモールが再開したから、こうしてモールを散策できるワケだが、かといって全てが「ハイ元どおり」とはいかない。
まったくもって、いかない。
この写真を見て欲しい。これが今のドバイモールである。
2020年6月末。ロックダウン解除から丸2ヶ月が経過して、これである。
(ティファニーのある正面玄関からまっすぐ入って、水族館を抜けた突き当たりの、いちばん賑やかなホール。セフォラ、パッチ、ヤマノテ、ロクシタン、スワロフスキー等が面する一等地の場所)
人がいない。
この場合の「人がいない」とは隠喩ではない。直喩である。
物理的に人間がいないのだ。
賑わっていたドバイモールを訪れたことがある人ならば、この光景がどれほどの異常事態かお分かりだろう。
(この写真は平日に撮影。週末はさすがに3〜4倍くらいいる。が、言ってもこの3〜4倍である。)
普段なら、記念写真を撮る観光客で賑わい、黒山の人だかりとなっている水族館前の広場も、この通りだ。
観光客が来られない今、ここに立ち止まる者はほとんどいない。
住民にとっては見慣れた普段の光景だから、みんな素通り。
(言い換えれば独り占めできる。バエるセルフィー撮るなら今ですよ)
(水槽越しに、水槽の向こうの通路や店舗がうっすら見えるが、そこも人影がまばらなのが分かる)
人影が消えて妙に歩きやすくなった道を歩き、ぼんやりと不安を感じながら、エイのスマイルなんかを眺めて手ぶらで帰宅した。
まずモールに入る際に、額にかざすタイプの体温計で熱を測る。
各テナントは各々の店舗面積に応じて入店人数を制限。
ゴーグル着用義務の店舗もある。
こんな物々しい中なんとか営業しても、客足は戻らない。応じて販売員も削る。営業再開したとはいえ、みんな苦しいな。
(ドバイのエミレーツモール) pic.twitter.com/y09uIWi55K— Mona🇦🇪ドバイ (@Monataro_DXB) May 1, 2020
コメント
こんばんは😃🌃
初めまして。😀日本から愛読させてもらっています。
ドバイはついにやりましたね。ロケット🚀が火星の軌道に到達しそうですね。
他の国も今年中に、ロケット🚀を打ち上げるようですね。
1回はドバイに観光に行ってみたいです。😀エミレーツの熱気が伝わってくるかな?🌠