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ラマダン中、私たち外国人の食事はどうなる?

ドバイで暮らす

ラマダン中のドバイで食事はできる?

 

ただいまドバイはラマダン月の真っ盛り

イスラム教徒の人々は、日中の飲食を断つ断食をしている。

 

そんなとき、

断食をしていない私たち異教徒の食事はどうなるの?

 

この点においてドバイはとても寛容な街である。

ほぼ全てのレストランは、営業しているのだ。

ただし、外から見えないようにカーテンを閉めて。

 

レストランやカフェで食べる場合

 

下の画像はスターバックス

黒いカーテンがかかっているので一見閉店しているようにも見えるが、

張り紙をよく見てほしい。

Service for non-Muslims and children

「ノン・ムスリムとお子様にサービスを提供しています」という表示だ。

(※断食に耐えられる身体がまだできあがっていない子どもは断食しなくてもよい)

 

店内に入ればいつも通りの営業をしている。

ラマダン・シーズン限定デザインの紙コップ。

今年はオレンジ、去年は緑だった。毎年かわいい。

Shahr Mobarak Ramadan!

 

こちらは私の好きなLondon Dairy ビストロ

黒いカーテンが閉まっているが、店の前に置かれた看板には、

We Are Open」としっかり書かれている。

ラマダンらしいランプのデザインが可愛い。

「店内でのお食事は10歳までのお子様と、ノン・ムスリムに限ります」とのこと。

 

ちなみにテラス席は大概こうなる。

椅子を引っくり返して営業しない・座らせないの鉄の意志表示

このテラス席も、日が沈めば直され、通常の営業状態になる。

 

テイクアウトの場合

 

テイクアウトは注意が必要だ。

 

いくら異教徒に寛容なドバイでも、

ラマダンを実践している人々の目に触れないよう、公共の場や屋外で飲むのはタブー

車の中で飲むのもよろしくない。

 

テイクアウトするならば、

たとえフラペチーノ1杯でも、しっかり紙袋に入れて渡され、

自宅などに持ち帰って飲むことになる。

 

テイクアウトする場合は、

「どこで食べるの?」をちゃんと考えておこう。

 

フードコートの場合

 

ドバイであれば、ショッピングモールのフードコート

通常通り営業しているケースが大半だ。

 

ドバイモールの最上階のフードコートの場合、

フードコート・エリアの入口にパーティションが置かれ、

その中は通常営業という形になっており、ワイワイ賑わっている。

 

日没の夕食「イフタール」を楽しもう!

 

ここまで制限の話ばかりしてきたが、

ひとつ楽しい話もしたい。

 

日が沈んだら、待ちに待った夕食だ。

それをイフタールという。

 

モスクで食事の施し

例えば各地のモスクでは、

日没が近づくと主に労働者層に向けて食事が用意される。

炊き出しといった感じだ。

 

ビニールシートを敷いて、飲み物と食べ物を配り、日没の知らせをじっと待つ。

日没の知らせと共に食事となる。

タクシー運転手など移動しなくてはいけない人は、そこで配られる食事を持って帰る人もいる。

 

こんな光景が見られるのも、ラマダンの間だけだ。

モスクの前で日没を待つ人々。

炊き出し係のおっちゃん。

一人一人に炊きたてごはんが配られる。

 

ゴージャスなイフタール

一方、富裕層向けのシャレオツなイフタールもある。

ドバイでは、各レストラン、特に高級ホテルのレストランが競って

それはそれはゴージャスなイフタール特別会場、特別メニューを提供するのだ。

 

ドバイにおける「東京Walker」的存在である「Time Out Dubai」など

各メディアはこぞって

2019絶対行くべきイフタールTop10」などを紹介する。

 

そして「今年はあのホテルのイフタールがよかった」

「あのホテルは去年の方が内容がよかった」などなど

ミーハーにはしゃぐことができる。

 

オススメなイフタール会場は別途まとめるが、

お財布に余裕があれば、どれか体験してみるといいだろう。

内装がすごいことになっているマリオットホテル。

 

英語で朝食をbreakfastというが、これは元々

fast(断食)」を「break(破る)」が語源なので、

イフタールは夕食だけど、本来の意味ではブレックファーストなんだなぁ。

 

ドバイの寛容さに気づこう

 

私がドバイに来て驚いたことはいくつかあるが、

その一つが「ラマダン中に飲食店が営業している」ということだ。

 

なぜならば、国によっては

ラマダン中はどこもかしこも閉店していて、

本当に食事が困難な国もあるからだ。

 

まぁ、元々イスラムの教えとしては、

旅人は断食をする必要がないということになっているので、

ホテルであれば一応どこでも食事が提供されてはいる。

 

しかし、いざホテルを出てしまえば、もう飲食店という選択肢はなく、

スーパーで食品を購入できても食べる場所がないーー

そんな国もあった。

 

例えばイラン。

 

街の状況がそうなので、

やる気がなくても断食に参加せざるを得なかった。

(私のイラン訪問がラマダン月にぶち当たったのは10年も前の話なので、もしかしたら今は違うかもしれない)

 

そんな国を体験してきた私にとっては、

外国人・異教徒の存在を前提として

異教徒も支障なくイスラム教の国で生活できるよう

設定されているドバイのシステム

驚きを隠せなかったのだ。

 

それは良い意味でもあり、一種のガッカリでもあった。

 

これは寛容なのか?

それとも迎合なのか?

と。

 

この疑問はドバイ生活の端々で常に私につきまとう。

しかし、寛容であれ迎合であれ、このドバイの柔軟性のおかげで、

異教徒として、外国人として、

不便が最小限に抑えられた生活が可能になっているのだ。

 

 

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