UAE人、宇宙へ行く
こんな明るく盛り上がるニュース、なかなかないわ!
2019年9月25日。
アラブ首長国連邦(UAE)の宇宙飛行士、Hazzaa AlMansoori(ハッザー・アル・マンスーリ)氏が宇宙へ旅立った。
UAE人が宇宙へ行くのは初である。
打ち上げの地となったのは、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地。
他2名(ロシア・アメリカ)の宇宙飛行士と共に乗りこんだソユーズは、国際宇宙ステーションへと旅立った。
彼は国際宇宙ステーションに8日間滞在したのち、10月3日、地球へ帰還する予定となっている。
私たち日本人は「日本人宇宙飛行士」の存在にだいぶ慣れてしまって、「いま誰が宇宙にいるんだっけ?」くらいの感じになってしまったが、UAEにとって自国民が宇宙に行くのは、今回が初。
思い出してほしい。
秋山さん、毛利さん、向井さんなどが宇宙に行った頃の、日本の盛り上がりを。
ワクワク高揚した雰囲気を。
いまドバイはあの感じに包まれている。
UAEの宇宙飛行士はどんな人?
今回、UAEからは2名の候補者がいた。
第一候補が今回宇宙へ飛び立ったマンスーリ氏で、もし彼に何か問題があった場合の言わば補欠がスルタン氏である。
この2人は、4,000名の応募の中から選ばれ、ロシアでの訓練(ロシア語を含む!)を経て、今回の打ち上げに挑んでいる。
マンスーリ氏は、1983年生まれの35歳、アブダビ出身だ。
元々はUAE国軍のパイロット。
彼は昨今ドバイではヒーローのようである。
いい写真だね。
ちなみにインタビューには以下のように答えている。
Q:寝るときは国際宇宙ステーションの壁に体を留める派?ふわふわ漂う派?
A:僕はふわふわ派。
Q:国際宇宙ステーションで暇なとき何してる?
A:地球を見て、UAEの部分を写メってる。
…ほんとだ。
宇宙からインスタ更新してる。笑
UAE人(エミラティ)というと「どうせ生まれつきお金もってるから怠け者なんでしょ」という評価がテンプレ化しているけれど、一応言っておくと、中にはこういうちゃんと頑張れるエミラティもいるんだよ。実在するんだよ!
ドバイは盛り上がった!
打ち上げの日、ドバイはめちゃくちゃ盛り上がった。
ブルジュ・ハリファも彼の顔と名前でライトアップ。
宇宙の自国民とテレビ電話するムハンマド首長。楽しそう。
تحدثت اليوم مع أول رائد فضاء إماراتي وأول عربي يصل لمحطة الفضاء الدولية هزاع المنصوري … إنجازنا وطني .. ورحلتنا عربية .. وغايتنا أن نقول للأجيال العربية أن القادم أفضل ولا مستحيل ولا سقف إلا ما نضعه فوق رؤوسنا pic.twitter.com/pEOuQROFwe
— HH Sheikh Mohammed (@HHShkMohd) September 27, 2019
新聞もこの通り。
(Khaleej Times紙)
なんとペラっと半ページ追加。
変形バージョンである。
開くとシェイク・ムハンマドのスリーピース。
アラビア語新聞も、この話題でもちきり。
(Al Bayan紙)
(Al Emarat Ilyum紙)
どこもかしこも、とにかく宇宙!!
地元UAE発のヒーロー
UAEのように豊かな国の若者は、勤労意欲が低く、怠慢になりがちなことが社会問題となる。
いくら人が「勤勉に学び、働け」と言ったところで、「そもそも金や社会保障が十分にあるのだから、なぜ努力なんぞをせねばならんのだ?」ということになってしまう。
彼らにとっては怠けでも逃げでもなんでもない、ナチュラルな疑問なのだろう。
しかし、こういう地元発のヒーロー像は、どんな政策よりも直球で、次の世代を刺激するのではないだろうか。
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